お金も時間もゆとりある老後を送れるはずが…
柳田正一さん(仮名・72歳)は個人経営で自動車修理工場を営んでいました。30代で独立し、大型車の整備など他社ではあまり対応できない仕事を受けていたことで地域の建設業や大手運送会社、建設機械のリース会社などから受注を得ることができ、たった一人で年間6000万円もの仕事をこなしていました。
「さすがにもう身体がもたん……」と60歳でリタイアし、M&A業者に紹介してもらった若手に時間もかけて事業も継承し、5000万円で会社を売却、さらに5000万円の退職金も手にすることができました。
うち4000万円を使い息子夫婦と一緒に暮らせるように家を建て、悠々自適な毎日を送っていました。
夫の事業を手伝っていた妻とともに、海外旅行を楽しんだり、ゆとりある老後を送る予定でしたが、そんな柳田さんの計画は、息子の正則さん(43歳)によって大きく崩れることになってしまいます。