日本株への投資、今後の見通しは?
Q. 日本株への投資、今後の見通しは?
Ans.
長期的には年率平均6~8%くらいのリターンが見込める。それでも米国株に少し見劣りする可能性がある。
前項で、2012年頃にバブルの清算を終え、日本株市場が“普通の市場”に戻ったこと、同時に日本の企業体質もバブルの清算を概ね終えたことをご説明しました。
その後、日銀の大規模金融緩和による円安などアベノミクス効果もあって、企業収益が改善(図3-12のシャドウ部分=日経平均の〝身の丈〟が上昇)、これと歩調を合わせるように日経平均も上昇しました。
バブル崩壊後は一時的に企業収益(身の丈)が上昇しても株価が下落する局面も少なくありませんでした。これはバブルの清算が済んでいなかったことが原因です。日本企業の“稼ぐチカラ”と比べて株価がまだ割高だったため、業績改善したにもかかわらず株価が下落したわけです。
ところが2012年以降は企業収益と株価がほぼ連動しています。株価の根幹ともいえる日本企業の業績が改善すれば株価も上昇し、業績が悪化すると株価も下落するという、ごく当たり前のことが繰り返されています。これこそが、日本株市場がバブルの清算を終えたと私が考える最大の根拠です。
2024年末の日経平均は3万9894円で、年末終値ベースでは実に35年ぶりに最高値を更新しました。バブル再来と心配する人もいるかもしれませんが、予想PERは16.1倍でほぼ身の丈に合っています。
つまり、株価の水準だけをみればバブル時の最高値(1989年末)の3万8915円とほぼ同じ水準ですが、中身がまったく違います。今回は実力に見合った4万円ということです。