三菱商事の株価は短期で反発が見られます。国内の商社株へ投資するウォーレン・バフェット氏が2025年2月に買い増しへ言及すると、直後の取引日で前営業日比8.8%高となる2589円まで買われました。同年3月には、提出された大量保有報告にかかる変更報告書から、三菱商事の保有比率が8.31%から9.67%へ上昇したことが判明します。

バフェット氏の追加投資が伝わったことで、商社株は再び注目を集めそうです。今回は三菱商事へ投資する方法を解説します。

総合商社の大手 トレーディングより事業投資が中心

まずは概要を押さえましょう。

三菱商事は総合商社の一角です。商社はトレーディングが伝統的な事業ですが、大手の総合商社は事業投資を中心に収益を得ています。既存商材の流通にとどまらず、投資を通じ幅広い事業を展開します。

三菱商事は、金属やエネルギーといった資源事業が主力です。また、化学品や自動車などの製造や販売、ローソンを中心にコンビニエンスストア事業も手掛けます。

次に業績です。直近2024年3月期は減益でした。減益は金属資源の市況悪化や、都市開発事業で前期計上の不動産売却益のはく落になどに起因します。一方、天然ガスやコンビニ、電力は増益でした。

【三菱商事の業績(2024年3月期)】

・収益:19兆5676億円(-9.3%)
・税引き前利益:1兆3626億円(-18.9%)
・純利益:9640億円(-18.4%)
※()は前期比

出所:三菱商事 決算短信

減益は今期(2025年3月期)も続く見込みです。純利益は第3四半期時点で前期比1.5%減となる9500億円を予想します。天然ガスや金属資源が想定より上振れますが、国内の洋上風力発電事業で大幅な減損損失が生じ、通期では相殺される想定です。

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