「投資はオルカンだけでいい」。そう思っていませんか? 確かに優れた指数ですが、それだけで本当に十分なのでしょうか。

マネックス証券チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎氏は、オルカンよりも効率的な運用ができる戦略として「SNEポートフォリオ」を提唱しています。これは、S&P500(S)、NASDAQ100(N)、新興国(E・エマージング)の3つを組み合わせ、より高いリターンを狙う投資法です。

では、この3つの市場をどう活用すればいいのか。岡元氏が詳しく解説します。(全3回の3回目)

●第2回:オール・カントリーを超えるリターンを狙う! 世界経済の成長を取り込む指数と最適な組み合わせの比率

※本稿は、岡元兵八郎著『本当に資産を増やす米国株投資』(ビジネス社)の一部を抜粋・再編集したものです。

エマージングはオール・カントリーでも投資できるけれど……

エマージングへの投資はオール・カントリーでも実は可能です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスには、23カ国の先進国に加えて、24カ国の新興国が含まれているからです。

新興国の構成国は、次の通りです。

ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、チェコ共和国、エジプト、ギリシャ、ハンガリー、ポーランド、カタール、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、アラブ首長国連邦、クウェート、中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、台湾、タイがそれです。

したがって、オール・カントリー系のETFでも十分に新興国投資は可能なのですが、ひとつだけ問題があります。それは、新興国の投資比率だけを調整できないことです。

たとえば新興国の株式は、金利が上昇局面に入ると、あらゆる資産クラスのなかでもっとも売られます。これはドル買いとは逆の動きでもあります。つまり米国の金利上昇とドル買いがセットになり、その裏側で新興国株式が大きく売り込まれるのです。