柔軟かつ迅速な資金提供が企業成長を促す

具体的には、プライベート・エクイティファンドやプライベート・クレジットファンド、ベンチャーキャピタルなどの投資の専門家集団が、投資家から集めた資金を直接企業に投融資する動きである。米国では、銀行融資の割合が急激に低下する一方で、プライベート・クレジットファンドを中心とした銀行以外のファンドによる貸出が大きく伸びている(図)。

 

また、株式発行による資金調達(エクイティファイナンス)も、プライベート・エクイティファンドが豊富な資金を背景に活発化している。こうした資金供給の拡大が企業の迅速な成長を可能にし、米国経済の競争力の源泉となっているのだ。

ファンド金融は、伝統的な銀行融資と比較して資金調達の柔軟性やスピード感において優れている。銀行では融資の審査や担保評価に時間を要するが、ファンドは企業のリスクを評価する独自のノウハウを持ち、柔軟かつ迅速に資金を提供できる。これにより、資金ニーズが多様化・複雑化する現代の企業活動を支える重要な金融インフラとしての役割を担っている。