2年目に突入した新NISA。すでに多くのかたがご存じのように、NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、「つみたて投資枠」ではその名の通り、投資信託の積立が基本。いっぽう「成長投資枠」では、個別株にも投資できるのが最大の違いといえるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの村松祐子氏は「成長投資枠では自分が好きな企業に投資してみるのも方法のひとつ」と言います。何事も「楽しい」という気持ちがなければ続きません。自分の興味のある会社に投資すれば、企業分析や情報収集に積極的になれるかもしれません。
今回は、松村氏に成長投資枠で投資したい銘柄探しのヒントを紹介してもらいます。(全4回の4回目)
●第3回:好調なインバウンド関連銘柄…外国人観光客には珍しい“穴場な観光資源”とは?
※本稿は、村松祐子著『新NISA 成長投資枠でお金を増やす!』(河出書房新社)の一部を抜粋・再編集したものです。掲載情報は書籍執筆時点に基づいています。
意外な〝世界シェア首位〟に注目してみよう
かつて日本は「ものづくりの日本」といわれ、優れた技術力で魅力にあふれる製品が数多く開発されていました。それが今やスマホや音楽プレーヤーも日本勢は少なくなってしまいました。これからの日本企業に大きな成長を期待するのは難しいのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。
世界シェア首位の製品や高い技術をもつ日本企業は数多くあり、世界から評価されています。特徴ある技術や製品で高い世界シェアを占め、海外向けに市場シェアを強める企業を見てみると、先端技術で実績を積んできた「老舗」や「M&A」という強みも発揮する存在感のある企業があります。例えば、ガイシ世界一の企業である日本ガイシ(5333)〈ガラス・土石製品〉。
ガイシとは電柱や鉄塔で使われる絶縁体です。スマホのようにみんなが肌身離さずもつものではありませんが、私たちの暮らしを支える必要不可欠なものです。日本ガイシはガイシの専業メーカーとして1919年に設立され、独自の技術で送電線を支え、世界最高強度をもつ送電用ガイシ、世界最大級の変電用ガイシを用いたブッシングなどを開発し生産しています。生産能力でも世界最大を誇り、100か国以上において安全で確実な電力供給を支えています。将来の日本に期待がもてる「世界シェア」を誇る企業に注目していきましょう。