2年目に突入した新NISA。すでに多くのかたがご存じのように、NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、「つみたて投資枠」ではその名の通り、投資信託の積立が基本。いっぽう「成長投資枠」では、個別株にも投資できるのが最大の違いといえるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの村松祐子氏は「成長投資枠では自分が好きな企業に投資してみるのも方法のひとつ」と言います。何事も「楽しい」という気持ちがなければ続きません。自分の興味のある会社に投資すれば、企業分析や情報収集に積極的になれるかもしれません。
今回は、松村氏に成長投資枠で投資したい銘柄探しのヒントを紹介してもらいます。(全4回の3回目)
●第2回:新しい製品やサービスを生みだす“柔軟性”のある企業を見つける意外な指標
※本稿は、村松祐子著『新NISA 成長投資枠でお金を増やす!』(河出書房新社)の一部を抜粋・再編集したものです。掲載情報は書籍執筆時点に基づいています。
観光立国・日本の意外な注目分野とは
今や来訪する多くの外国人により日本の経済は支えられています。23年12月の訪⽇外客数は、19年同月比108.2%となる273万人となり、コロナ禍以降で最多を更新しました。なお、12月までの累計では2500万人を突破。(※1)訪日外国人一人当たりの旅行支出は21.1万円、うち、宿泊費が34.6%と最も多く、次いで買物代(26.4%)、飲食費(22.6%)(※2)となっています。
消費は外食、宿泊などがインバウンド関連の中心となりますが、和文化や四季を巡る観光などの「コトを体験する」消費も見逃せません。インバウンドの関心を集め対応に力を入れている企業を幅広い業種から探ってみましょう。
訪日観光客の集客力が強い三越伊勢丹ホールディングス(3099)は、都心店では高額品を軸に外商も順調な推移に加え、訪日客消費は勢いを増しています。10%割引のお買物券の株主優待も魅力です。羽田空港国内・国際ターミナルビルの家主である日本空港ビルデング(9706)は、2020年からのコロナ禍による旅客利用者数激減で21年3月期〜23年3月期は連続営業赤字でしたが、今後は営業益増勢、大幅増配などが期待されます。人の往来が活発になると航空関係も見逃せません。また、雪が珍しいという外国人観光客など雪目的の訪日外国人の獲得を狙う日本スキー場開発(6040)も収益確保が期待されます。
(※1)日本政府観光局「年別訪日外客数、出国日本人数の推移」2024年1月17日
(※2)国土交通省観光庁「訪日外国人の消費動向」2024年1月17日発表