<前編のあらすじ>
橋爪あゆみさん(仮名)はIT企業の総務部に勤務する会社員です。長女を出産後、現在は育休中。橋爪さん一家は長女が生まれる前、コロナ禍に都内の小規模新築マンションを購入し、引っ越してきました。マンション内で親しい友人もできて新米ママ生活を満喫していたそうです。
そんな時、橋爪家にマンションの管理組合の役員が回ってきます。しかし、これが災難のきっかけになります。管理組合は301号室の津島さんの管理費未納問題について、代々“見て見ぬふり”をしてきたというのです。
この問題に、橋爪さんの友人で、正義感の強い中村さんが抗議の声を上げましたが、思わぬ波紋を呼ぶことになります。
●前編:【なぜ4年も放置? マンション管理組合の役員を引き受けた女性が仰天…“見て見ぬふり”をされてきた「厄介すぎる問題」】
マンションの理事会役員になり、大トラブルに巻き込まれる
私は営業マンの夫と満1歳を迎えたばかりの長女の唯奈の3人家族です。東京の郊外の小さなマンションに入居して4年が経ちました。
3階建て、総戸数が12戸と本当にこじんまりしたマンションですが、その分、入居者間の距離は近く、入居してすぐに同世代のファミリー2組と親しくなって家族ぐるみの付き合いを続けていました。
2023年末に唯奈を出産後、産休を経て育休を取得中ということもあって、緑豊かでレジャー施設も多い郊外での新米ママ生活を満喫していたのです。マンションの管理組合の役員が回ってきたのは、そんなタイミングでした。
コロナ明けからぐんと仕事が忙しくなった夫は、完全に私にお任せモード。それでも引き受けたのは、親しいママ友の中村さんも役員候補になっていたからです。
同い年の中村さんは帰国子女で、語学力を活かして自宅で翻訳の仕事をしています。中学生までアメリカと日本を行ったり来たりしていたというだけあってネイティブに近い流ちょうな英語を話すだけでなく、正義感が強くはっきりとモノを言うので頼りになる存在でした。
理事会の運営自体は、大手不動産系列の管理会社が手取り足取りサポートしてくれるらしく、マンション管理の素人の私たちでもさして問題はなさそうでした。しかし、歴代の役員から先送りされてきた大きなトラブルが1つありました。それが、301号室の津島さんの管理費未納問題です。