<前編のあらすじ>
都内の私立大学に事務職員として勤務する金子雄彦さん(仮名)。金子さんは昨年11月に奥さんの晶子さんのお母さまが亡くなるまで、二世帯住宅で25年以上義両親と同居していました。
金子さんにとって長年ストレスになっていたのが義両親との経済的な価値観の違いでした。昭和一桁世代で、東京で過酷な戦争体験をした義両親は、外食やレジャーに振り向きもせず、何十年も前の服を着続ける節約家。
義理のお父さまが亡くなった際には1億5000万円の相続が発生し、税理士に「一公務員が貯められる額とは思えない」と驚かれます。
●前編:【「公務員が貯められる額とは思えない」税理士も絶句…それぞれ1億円以上の遺産を残した義両親の“超絶節約生活”】
食費は夫婦で2万円程度…義両親の質素すぎる生活
私は、婿養子にこそなっていませんが、妻の母親が昨年亡くなるまでおよそ四半世紀に渡り、義両親と二世帯住宅で暮らしてきました。そこで目にしたのは、義両親の質素すぎる生活でした。
食事は100%自炊、出前を取ったり、外食したりする姿を見たことがありません。買い物はスーパーやディスカウントストアでまとめ買いしているので、恐らくはコンビニエンスストアなど入ったこともなかったのではないかと思います。
食卓に上るのは焼き魚や野菜の煮物、自家製の漬物に味噌汁が定番。義父は自宅の庭やベランダで野菜を育てていたので、食費は夫婦2人で月に2万円もかからなかったのではないでしょうか。
着る物にもこだわりはなく、「30代の頃の服が着られる」のが自慢でした。着古して生地がすり減ったり穴が開いたりすると、義母が下から当て布をして修繕していました。いよいよ着られなくなったら雑巾に縫い直して拭き掃除に使うといったあんばいです。
人付き合いにもあまり熱心ではなく、レジャーや旅行といった外出も嫌がりました。義父が熱心に見ていたのはテレビのプロ野球や大相撲の中継で、義母はドラマや図書館から借りてきた本を読むのが楽しみなようでした。