野村證券の投信売れ筋ランキングの2024年12月は、トップの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は変わらなかったものの、前月第2位だった「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i日経225)」は第3位に後退し、前月は第4位だった「eMAXIS 日経225インデックス」も第5位に後退した。代わりに、「eMAXIS S&P500インデックス」が第3位から第2位に、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が第5位から第4位に浮上した。ランキング上位では国内株ファンドが順位を落とし、米国株を中心に投資するファンドが順位を上げた。一方、新規のトップ10ファンドとして第9位に「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」が入ったことが注目される。
◆米株ファンドの順位が上昇 2025年は日本企業の価値見直しあるか
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」がトップを維持し、「eMAXIS S&P500インデックス」が第2位、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が第4位に浮上する中で、「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i 日経225)」は10月のトップから第3位にまでランクを落とした。「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は世界の半導体関連株を投資対象としているものの、米国株の投資比率が70%を超えていて米国株がメインの投資対象と言えるファンドだ。売れ筋トップ5のうち、米国株を中心に投資しているファンドの順位が上がって、国内株ファンドがランクを落としている。
割高といわれた米国株が高値を更新し、割安とみられている国内株が高値を更新できない理由は、従来は国内企業の利益率の低さや株主還元姿勢の低さなどがあげられていた。その国内企業への評価の低さを挽回しようと呼びかけたのが2023年3月に発せられた東証による「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」の上場企業に対しての改善策の要請だった。この東証の要請に応えて国内企業の多くは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みを強化し、その状況については東証が一覧表にまとめて、進捗状況をモニタリングするようになった。国内株式の企業価値向上に向けた取り組みは進展中だ。国内株式市場の本格的な上昇には、国内企業が株主価値向上に向けた努力が実を結んだことを評価される必要があるだろう。12月は評価を下げた国内株ファンドが2025年に復調するものか注目したい。