auカブコム証券の投信売れ筋ランキングの2024年12月のトップ2は前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だった。第3位に前月トップ5圏外から「iFreeNEXT FANG+インデックス」が浮上し、同様にトップ5圏外から「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が第5位に食い込んだ。
一方、積立設定金額では、トップ3が前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、そして、「iFreeNEXT FANG+インデックス」だったが、第4位に「<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」、第5位に「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」がランクインしている。
◆「S&P500」「オルカン」を追う「FANG+」
「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、Facebook(Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の「FANG」4社を含む、ビッグテック10銘柄で構成される株価指数「NYSE FANG+指数」に連動するインデックスファンドだ。構成銘柄は毎年3月、6月、9月、12月に銘柄入れ替え(検討)と10銘柄への投資が等金額になるようにリバランスを行っている。現在の構成銘柄はFANGに加えて、エヌビディア、ブロードコム、アップル、クラウドストライク、サービスナウ、マイクロソフトになっている。この構成銘柄は、おおむね「マグニフィセント・セブン」と言われる銘柄群と重なっており、過去数年間の米国株式市場をけん引し、昨年は割高感が強調された銘柄群だ。
2024年11月末時点で過去1年間のトータルリターンが52.6%、過去3年間では106.8%。3年間のリターンでは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の77.4%、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の62.4%を大幅に上回っている。この優れたパフォーマンスは、定期的な銘柄の入れ替えによって常に高成長が期待できる銘柄群で指数を構成しているためと考えられる。たとえば、直近の銘柄入れ替えは2024年9月に実施され、その際にはテスラとスノーフレイクが除外され、クラウドストライクとサービスナウが新規に採用された。かねてより割高の指摘があり、かつ、CEOであるイーロン・マスク氏がトランプ新大統領のブレーンの1人として注目を集めたため、企業業績以外の要素で株価が動くことがあるテスラが除外された。
「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、売れ筋ランキングでは上位に位置していなかったが、積立設定金額ランキングではトップ5の常連だった。今回、売れ筋でも第3位にランクされたことで、いよいよ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に続く有力な投資対象として定着するかどうか、今後の推移が注目される。