投資を通じて楽しさ、ウェルビーイングを感じてみよう!

投資を通じてウェルビーイングを実感してみよう、というのが今回のテーマです。

個別企業の株を買うとき「好きな会社を応援する気持ちで買おう」というアドバイスを目にすることがあります。サービスや商品が優れていると感じていたり、世の中に役立つアウトプットを行っていると感じられたりする会社の株を買うことで、投資先企業の成長を通じて私たちも投資を通じたウェルビーイングを得ることができるはずです。

「私のお金が、A社を成長させる資本の担い手となったかも!」

「私が投資をしたB社が優れたサービスや商品を提供してくれて世の中は便利になった!」

「新興国の経済成長を支える一助に、私の投資資金が少し役立てばうれしいな」

というような感覚を、投資でも意識してみるといいでしょう。

自分がお金を投じた企業が世の中の役に立ったという実感を、投資家も少し感じていいと思います。

一方で、「売り手」がウェルビーイングを語ることの危うさもある?

さて、ここまでの話だけだと「投資実感が私たちのウェルビーイングを高める!」といういい話になりますが、必ずしもそれだけではありません。

まず、株価は未来を予想する性格も持っているので、不確かな情報、投機的な思惑で上下動することもあります。単純に「業績=株価」ではないことも株価の性格の一部であることは覚えておきましょう。

また、現実のビジネスは「いいことをすれば企業が成長する」という単純な世界ではありません。プロダクツがあまりにも時代を先取りしすぎた会社、ゼロエミッションの取り組みをがんばりすぎてむしろ高コストになってしまった会社など、結果として高成長とならないことはままあります。これも投資の現実です。

そしてもう1つ、証券会社や投資信託会社の立場、金融商品を販売するサイドが「投資のウェルビーイング」を強く語ることには少しばかり危うさもあります。

セールストークとして考えたとき「投資はいいこと」「いい会社に投資をする」というのは魅力的に聞こえます。運用担当者が熱心に語る姿についつい感情移入してしまいます。

「よい投資商品かどうか」という評価を後回しにして「ウェルビーイングかどうか」だけで見ないことも意識してみてください。

――ところで、近年注目されている投資スタイルであるインデックス運用は、個別企業にフォーカスせず市場平均に連動した値動きを目指します。これはウェルビーイングにつながらないのでしょうか? 次回は、「インデックス投資のファイナンシャル・ウェルビーイング」について考えてみたいと思います。