投資をすることは「金儲け」以外のウェルビーイングもある?
投資の目的は何か、と聞かれれば最初に答えるべきは「お金を増やすこと」でしょう。
できれば銀行預金より高い利回りを得たいですし、物価上昇率にも負けたくはありません。リスクを取る以上、うまくいかない時期もありますが、長い目で見れば投資は高い利回りを確保し、お金を増やす手段です。
とはいえ「金儲けだけが目的」というのはあまり味気ないものがあります。投資からウェルビーイングを感じにくいでしょう。
一般には「投資は悪」「投資はズルいこと」のようなイメージがあります。「汗もかかずにお金を増やすなんて……」というイメージが投資につきまとうのも、投資が私たちの幸福感、ウェルビーイングを高めにくい理由の1つともなっています。
しかし、投資はズルいこと、悪いことをしているからお金が増えるわけではないはずです。
経済の成長あっての企業の株価上昇である
投資をするとなぜお金が増えるのでしょうか。例えば個別企業の株式に投資をしたり、株式に投資する投資信託を保有したりすることでお金が増えるとしたら、株価の上昇があったということです。しかし、何もないところから株価は上昇したりしません。
企業が成長し、その価値を高めたからこそ株価は上がるわけです。例えば……
・Apple社がiPhoneやiPadといったイノベーションを実現したこと
・任天堂がSwitchを通じて全世界に遊びの楽しみを増やしたこと
・トヨタ自動車がプリウスを通じて環境負荷が低くかつ燃費のよい自動車を開発したこと
・ユニクロ(ファーストリテイリング)がフリースなどの高品質かつ低廉な衣料品を広く提供したこと
などは、それぞれの企業の株価を大きく押し上げる原動力となりました。いずれも大きく株価が上がった企業の例ですが、現実に社会に評価された商品やサービスを生み出したことが、たくさんの売り上げを上げる原動力となっています。
世の中に役に立たない商品やサービスを提供し、赤字を出しているような会社の株価が上がることはありません。
投資は、世の中の成長や豊かさの実現があってこそ、株価の上昇があると考えてみてください。