注目セクターは追い風吹く金融 国際緊張高まる防衛産業にも注視
――2025年の日本株市場の見通しは?
注目セクターは金融だ。金利上昇や新しいNISA(少額投資非課税制度)など良好な国内環境を背景に好調が継続するだろう。加えて米国の規制緩和も追い風になる。トランプ政権による反トラスト法(独占禁止法)の運用強化撤回によってM&A(合併・買収)が活性化するだろう。特に金融や暗号資産、プライベートエクイティなどの分野ではM&Aが増加しそうだ。米国の規制緩和であっても、これらの分野はグローバルなスピルオーバー(波及)効果があり、日本の金融機関にも恩恵があるだろう。
トランプ氏の政策が経済に与える効果は現時点では不透明だが、国際情勢に及ぼす影響についてはある程度、予見可能だと考える。トランプ氏の米国第一主義は端的に言って「米国以外の世界」への関与の低下であり、それはグローバル協調体制の脆弱化とロシア、中国、イラン、北朝鮮などの権威主義国家の増長を招く。その結果、世界情勢はより不安定化し各地で紛争が起こりやすくなるだろう。
日本を取り巻く国際環境も安全保障上の緊迫の度合いが増すことは明確である。日米の軍事的な協議がどう進展するかを別としても、三菱重工(7011)、川崎重工(7012)、IHI(7013)、三菱電機(6503)など日本の防衛産業への注目度は高まるだろう。