プライベート・エクイティをわかりやすく知る

先日、プライベート・クレジットについて解説したが、今回は多くの方がより耳にしたことがある「プライベート・エクイティ(PE)」について、わかりやすく説明したい。プライベート・クレジットが「上場していない(プライベートな)貸付債権」への投資であるのに対し、PEは「プライベートな株式」への投資となる。

まず、株式と債権を投資対象とした場合の基本的な違いを簡単に整理しておこう。

出所:筆者作成

債権は会社にお金を貸し付け、契約通り利息と元本が返済されればリターンが確定する。反面、業績がいくら良くなっても、決まった利息以上のリターンは得にくい。

一方、株式は会社の所有権を持つため、業績向上による配当や株価上昇が期待でき、成長次第でリターンは大きく伸びる可能性がある。

PEファンド、特に「バイアウト型」と呼ばれるファンドは、投資先企業の過半数超の株式を取得し、経営権を握ることが多い。こうして企業の戦略や組織を根本から見直し、価値を高めた上で、その株式を他の事業会社やファンドへ売却したり、IPO(新規株式公開)を行ったりしてリターンを得る。

とはいえ、こうした説明だけではイメージが湧きにくいかもしれない。そこで、架空のストーリーで具体例を示そう。