老後資金2000万円問題や新NISA開始もあって、今までにないと言えるほど多くの人が資産形成に関心を寄せています。

しかし、そうしたムーブメントがあれば、必ず現れてくるのが「ネットにあふれる玉石混交の金融情報」。こうした状況に対し、元・金融庁官僚でマネックスライフセトルメント代表取締役の我妻佳祐氏は、「ほんとうに必要な金融の知識は、それほど多くもない」と警鐘を鳴らします。

そんな、“必要最低限の金融知識”を説く話題の書籍『金融地獄を生き抜け 世界一簡単なお金リテラシーこれだけ』から、投資信託の選び方について解説した箇所をお届けします。(全4回の1回目)

※本稿は、我妻佳祐著『金融地獄を生き抜け 世界一簡単なお金リテラシーこれだけ』(幻冬舎)の一部を抜粋・再編集したものです。

アクティブ投資信託とインデックス投資信託の違い

投資信託は大きく分けると2つの種類があります。ひとつがインデックス投資信託(いくつかのインデックスを組み合わせた「バランス型」はこちらと同じと考えておきます)、もうひとつは「アクティブ投資信託 」と呼ばれるものです。どちらも運用会社が用意するコースメニューですが、そのつくり方は同じではありません。

アクティブ投資信託は、運用会社に所属する「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資運用のプロが投資対象を決定します。ファンドマネージャーらの腕次第で運用成績がよくも悪くもなるという点で、「投資のプロを信じてお金を託す」という投資信託の原型といえるでしょう。

では、インデックス投資信託はそれと何が違うのでしょうか。

まず「インデックス」とは「指標」のことです。ですからインデックス投資信託とは、ある指標に合わせて値動きする投資信託のこと。ここで指標となるのは、株式、債券、不動産などの「市場全体」の動きを現す指数です。

たとえば株式市場では日々、個々の会社の株価が上がったり下がったりしていますが、世の中の経済が上向きなら、株式市場全体の平均的な株価は上向きになるでしょう。すると、その市場の指数が上がります。インデックス投資信託は、この指数に連動します。その時点での経済の調子、つまり景気の良し悪しに連動して値上がりしたり値下がりしたりするのが、インデックス投資信託なのです。