単身者が「老後は心配ない」理由1位は「金融資産」「年金」でもない

次に、老後の生活を心配していないと答えた40代の方々のその理由を見ていきましょう。まずは単身者からです。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※老後を心配していない世帯、実数48、複数回答)

1位 その他    47.9%
2位 十分な金融資産があるから    27.1%
3位 年金や保険があるから 20.8%
4位 退職一時金があるから 14.6%
5位 十分な金融資産はないが、老後に備えて着々と準備(貯蓄など)しているから8.3%

老後を不安視する人もいる一方、心配してはいない人もいるようです。同調査では、40代単身者世帯で「老後を心配していない」と答えた人たちにその理由を聞いています。1位は「その他」で47.9%でした。

現在40代の人の多くが若年期に雇用が不安定な時期を過ごしてきた、いわゆる「就職氷河期世代」に当たります。一方の現在は、人手不足で若年層に至っては売り手市場とも言われる状況です。

働き口があるなら、なんとかやっていける、そう前向きに考えている人も少なくないのかもしれません。いずれにしても「その他」の具体的な内容が気になるところです。2位は「金融資産」27.1%、3位は「年金・保険」20.8%と続きます。

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選択肢にはありませんが、例えばiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)に加入して所得税や住民税の控除により税金負担を減らすなどの手段もあります。加入条件はありますが、老後不安を少しでも解消するために検討してみてはいかがでしょうか。

十分な金融資産があると安心な二人以上世帯

次に、二人以上世帯を見ていきます。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※老後を心配していない世帯、実数149、複数回答)

1位 十分な金融資産があるから 34.2%
2位 年金や保険があるから    28.9%
3位 退職一時金があるから    28.2%
4位 その他 18.1%
5位 十分な金融資産はないが、老後に備えて着々と準備(貯蓄など)しているから   14.1%

40代二人以上世帯が老後を心配していない理由1位は「十分な金融資産があるから」で34.2%という結果になりました。逆に単身者で1位だった「その他」は二人以上世帯では18.1%で4位に。

40代であれば老後まで20年近い時間があるわけですが、やはり、今現在、いくら金融資産を保有しているかが老後の生活を考える上では重要なようです。

単身世帯と二人以上世帯ではギャップも

それ以外にもいくつか単身者が寄せた回答とのギャップが大きい項目がありました。例えば、二人以上世帯の28.2%が「退職一時金があるから」を老後の生活に心配していない理由として挙げています。これは、単身世帯の約2倍にあたります。

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単にお金を貯めるだけではなく、退職一時金がもらえる定年まで勤めあげられるように、あるいは老後も定年延長や再雇用で無理のない範囲で働き続けられるように、心や体の健康を保つことも重要な準備といえそうです。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会) 調査時期/令和5年6月23日~7月5日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査