三井住友銀行の投信売れ筋ランキングの2024年10月のトップは4カ月連続で「三井住友・225オープン」になった。第2位には前月に第4位まで後退していた「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」が浮上した。そして、第4位には「SMBC円資産ファンド」が前月の第6位からランクアップし、第7位にはベスト10圏外から「三井住友・ワールド・パッケージ・オープン」が急浮上している。この2ファンドは、国内資産とグローバル資産の違いこそあるものの、ともに株式と債券を組み入れたバランスファンドだ。中長期にわたって安定的に資産の拡大をめざす「コア資産」に位置付けられるファンドといえ、じっくりと腰を据えて資産形成に取り組もうという資金が動き出しているようにみえる。

 

◆「世界のベスト」と「円資産ファンド」のランクアップ

「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」は、日本を含む世界の株式市場(新興国は除く)の中から、「成長」「配当」「割安」という3つの観点で銘柄を厳選し、「世界のベスト」といえるポートフォリオを作るアクティブファンドだ。投資対象に「株式」を選んだ時に最適解といえるような銘柄を厳選するという点で、運用資産の中核を担う役割が期待されるファンドといえる。1999年1月の設定で25年以上の運用実績があり、純資産総額も1兆6500億円を超える巨大ファンドだ。三井住友銀行の擦れ筋ラインナップでは、トップ3に入る人気を継続していたが、前月に第4位まで後退していまっていた。

「SMBC円資産ファンド」は国内資産で安定的に成長するポートフォリオをめざすファンドだ。組み入れている国内資産の内訳は、基本配分比率として日本国債に50%、絶対収益型日本株ファンドに30%、国内高配当株ファンドに20%だが、2024年10月末時点では日本国債に46.9%、絶対収益型に30.5%、国内高配当株に12.4%として現金等を10.2%保有している。現金等のポジションも使って株価が下落する見通しにある場合には予防策をとっているところにも、同ファンドの慎重な運用姿勢がうかがえる。過去1年間のトータルリターンは3.3%、2015年11月設定から約9年間の設定来トータルリターンは12.0%だ。着実な運用成績を重ねている。三井住友銀行の売れ筋ではトップ10の常連ながら第5位以下に位置してきた。それが上位にランクアップしてきたことは、「預金から投資へ」の第一歩を踏み出す投資家に動きだ出ているように感じられる。