2023年以降の「成約価格」は右肩上がりの上昇
マンション売買の際、最終的に売り手と買い手が合意した価格を意味するのが、成約価格だ。普段私たちが広告で目にする、マンションの売り出しを始めるときの売出価格とは別物である。売出価格は「いくらで売りたいか」という売り手の希望を加味して決められている。
今回参考にするのは、不動産関連サービスを手掛けるマンションリサーチ株式会社と一心エステート株式会社が実施した調査だ。同調査ではまず、山の手エリア(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区の都心五区と文京区)の2023年1月以降の成約価格の推移をグラフ化している。この成約価格の推移から見ていこう。
コロナ禍が第5類に移行したのは2023年5月だが、その前後から成約価格は徐々に上昇し、特に2024年7月の伸び幅が大きいことがわかる。
「販売期間」と「値下げ回数」が物語る需要の高さ
中古マンションの成約価格が右肩上がりの上昇となった背景は何だろうか。調査では、同じ期間の販売期間と値下げ回数に注目した。グラフからは販売期間が短期化しており、また値下げ回数も減少傾向にあることがわかる。これは販売価格を値下げしなくても、すぐ売れてしまう、つまり中古マンションの需要が高いことを示唆している。