コモンズ投信では10月6日(日)文京学院大学にて第16回社会起業家フォーラムを開催し、11人の社会起業家(以下、「起業家」という) が7分間のスピーチでそれぞれの熱い想いを届けました。
そのスピーチ動画や起業家に対する寄付の仕組み等は当社ホームページにも掲載しております。フォーラムを通じて、起業家の熱いメッセージを感じたことはさることながら、個人、民間企業、国を含めて社会全体が起業家に対する興味関心を持ち、関与の幅を広げる必要があるとあらためて感じました。
今回のフォーラムでは、社会課題のネガティブな側面を解決することのみならず、いまある社会の基盤を活用してよりよい社会に繋げていくポジティブな活動も垣間見ることができました。
一例をあげますと、山林地域に広がる森林の新たな利活用『森林浴』の取り組みを通じて、都市と山村を繋ぐ活動を行っている団体がありました。当団体のミッションは『都会の人と、地域の森を繋ぐ』です。
森林浴と言えば屋久島をはじめ日本には様々な場所がありますが、趣味・旅行の域から一歩踏み出した森林への理解促進も必要なのかもしれません。そのあと押しを担える団体でもある当団体は、民間企業に向けた環境経営の支援などもされており、社会で働く我々も関与を深められるチャンスかもしれません。また、森林は防災の観点でも洪水を抑制する機能として研究されている大学機関もあります。詳細は割愛しますが、森を守ることが我々人間の命を守ることにも直結しています。
先般の能登地方の豪雨被害も呼び起こされる中、このようなアカデミアの取り組みについて思考をこらす必要性を感じています。国もゼロベースで国家予算の増額も検討いただき、防災、減災のためのビジョンを示してほしいものです。
国という観点では、当レター執筆時点で日本の総理大臣は石破茂氏です。地方創生を掲げる石破総理には、併せて防災庁の設置も含めて是非やり遂げていただくと同時に、その後の政権でも継承してほしいと思います。
予算があるところにはその目的が営利か非営利かはさておき事業活動が拡がります。営利目的であれば当然我々の投資先候補となる可能性もあり、川上から川下まで様々なビジネスチャンスを期待したいと思います(苗木の育成(輸入)、植林、間伐等(林業機械)、林業専門コンサル、林業管理・メンテナンス、森林浴・ツアー等)。
同時に林業に関与する人たちの所得水準の向上(林業所得水準およそ100万円、全産業平均400万円台前半)と所得手段の多角化を議論して欲しいと思います。
最後になりますが、今、世の中では未公開企業へのアクセスや投資が様々なプラットフォームを通じて拡がりをみせています。
この拡がりの大義は社会課題を解決しながらも経済的利益を追求し、投資家にリターンとしてフィードバックすることが前提かと思います。社会課題解決とリターンの追求という観点では、非営利の未公開企業へのアクセスはまだまだ僅少かもしれません。
あらためて、当社主催のみならず起業家を応援する様々なコンテンツにアクセスいただき、チャンスがあれば活動拠点で起業家の熱意にふれてみてください。少しでも社会課題に対する関心が拡がれば、起業家の熱意はより一層高まり、その熱意に我々も共感しという具合に好循環となることを期待しています。
■第16回社会起業家フォーラム登壇者の紹介やスピーチ動画はこちら
https://www.commons30.jp/fund30/entree/