老後資金の賢い貯め方

自分の老後資金が分かったら、すぐに行動に移すことが大切です。

老後資金を増やすためには「貯蓄を増やす」ことも大切ですが、同時に「老後の収入を増やす」ことにも目を向けましょう。

老後の収入を増やすための対策は、会社員と自営業者で異なります。

会社員は、勤務先が用意している退職金制度や年金制度を調べて、それらの制度を有効的に活用することが大切です。たとえば企業型の確定拠出年金が採用されている場合は、資金の大半を預貯金や保険などの元本確保型の商品に置くのではなく、資産を増やす部分として、株式型投資信託での運用もあわせて行うとよいでしょう。ほかにも、一般的な金融商品に比べると、節税の効果が期待できる個人型確定拠出年金(以下iDeCo)での運用も検討しましょう。

一方、厚生年金に加入できない自営業者の場合は、国民年金の保険料をきっちり納めることを基本とします。その上で、将来受け取る年金額を増やすために付加保険料を納めることや、国民年金基金への加入なども検討したいところです。あわせてiDeCoにも加入し、税制優遇を受けながら老後資金を増やすことに努めてもらいたいと思います。なお、iDeCoに加入している人は、国民年金基金と合わせて月額6万8000円が掛金の上限になることや、国民年金基金に加入すると付加保険料は納められないという点に注意してください。

他方、iDeCoや国民年金基金は、老後の資産形成を目的とした制度であるため、60歳や65歳など一定の年齢にならないとお金が受け取れません。

そこで、必要な時に自由にお金を引き出せる「つみたてNISA」での運用も検討しましょう。つみたてNISAとiDeCoを併用すれば、ダブルの節税効果も期待できます。

また、元本が保証されているものとして、財形貯蓄制度や銀行の積み立てサービスを利用した定期預金でお金を貯めるのもよいと思います。