“家族”との接点を持つためのユニークなサービスも展開

ドリコレ・パスに加え、いちよし証券では10月1日から、「いちよしトータルケア」というサービスも開始した。

このサービスでは資産運用や保有資産に関する悩みだけでなく、相続対策、介護・病気の備え、認知症など万が一への備え、「おひとりさま」のサポート、墓地や葬儀の備え、相続税申告・遺産整理、事業承継など、それぞれの専門業者と提携し、高齢化した顧客が抱えているさまざまな悩みの解決に当たるというものだ。

「当社のアドバイザーは、常日頃からお客様と接しており、そのなかでさまざまなお悩みの相談を受けることがあります。なかにはアドバイザーでは対応しきれない相談事もありますが、そこはアドバイザーが橋渡しとなって専門家をご紹介し、お悩みの解決にあたります」と、ウェルスマネジメント部長 吉田和生氏は解説する。

吉田和生氏

こうしたサービスによって、アドバイザーは高齢者の家族との接点が持ちやすくなる。次世代へ資産移動する際、家族と接点があることは資産運用を継続してもらうための会話がしやすいという狙いもある。

ドリコレ・パス、いちよしトータルケアともに、次世代を含めた家族単位でのサポートを展開しているいちよし証券にとって重要な施策となりそうだ。

インターネット証券会社やモバイル証券会社が全盛の時代。とはいえ、金融資産の多くを抱えている高齢者や、その家族が抱えている問題に対するきめこまかなソリューションを提供できるのは、やはり対面型証券会社ならではのサービスといえるのではないだろうか。ますます高齢化が加速していくなかで、対面型サービスの重要性は、社会的に高まっていきそうだ。