条件にある金額の数字をうのみにしない!

「130万円の壁」は、夫の社会保険の扶養でいられるかどうかの壁です。この壁を越えなければ、妻は保険料の負担なく夫の健康保険に加入でき、国民年金の3号被保険者になれます。

下記の図では収入などの3つの条件を紹介しています。

 

①は夫が低年収のケースで警戒が必要です。例えば、夫の年収が230万円で妻が年収120万円だった場合。夫の年収の半分(115万円)未満の条件に該当しないため、130万円未満でも扶養から外れます。夫が非正規社員だと、気をつけたいケースでしょう。

②の「10 万8334円未満」は、130万円を12カ月で割った月収の目安です(※)。「1カ月」でもオーバーしたらダメなのかなどの判断は健康保険の組合によって異なります。

③は扶養になれる親族の範囲で、3親等以内の親族と定められています。社会保険の適用拡大で、2024年10月から社員51人以上が働く会社も「106万円の壁の対象」と述べました。

しかし、日本企業の約96%が社員50人未満です(令和3年、総務省・経済産業省調査)。現段階では「106万円の壁」より、「130万円の壁」を意識しなければならないことに留意しましょう。

(※)妻が60歳以上、または障害者の場合は年収180万円未満になります。

●第3回は【手当の返還を求められるケースも! 「税金」と「社会保障」の異なる扶養の判断方法に注意】です。(10月16日に配信予定)

「扶養の壁」に悩む人が働き損にならないための38のヒント

 

著者名 塚越 菜々子

発行 東京ニュース通信社、発売 講談社

価格 1,650円(税込)