資産運用の常識を疑うシリーズ、第2回目の今回は、前回に引き続きインデックスファンド投資に関する「常識」を疑います。

 

【インデックスファンド投資の常識②】
インデックスファンド選びで最も重要な要素はコスト?

この常識も広く信じられているようです。コスト、中でも信託報酬など直接コストの水準の重要性は、多くの方が指摘しており、筆者も異論はありません。ただし、「コストを最重視して決めるべき」あるいは「コストの1番安いものを選ぶべき」との意見には同意できません。

インデックスファンド選びにおいて、コストはどれだけ重要なのでしょうか? またコストよりも重視すべき要素はないのでしょうか?

前回は日本株に投資するインデックスファンドを例に解説したので、今回は最近人気の高い全世界(オールカントリー)型(含む新興国および日本)株式インデックスファンドを例に説明します。

 

(1)信託報酬率のファンド間格差

全世界(オールカントリー)型(含む新興国および日本)株式インデックス・ファンド(DC専用を除く)で、信託報酬率の低い順に10ファンドを選定すると図1のようになります。信託報酬率(税込:概算値)は0.06%から0.13%の間に収まり、コスト水準を意識したインデックスファンド間ではその差はせいぜい0.1%未満であり、小さい場合には0.01%と大きな差ではなくなっています。

ただし、連動を目指す指数には違いがあります。

図1 信託報酬率の低い全世界(オールカントリー)株式インデックスファンド  

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(2)主要ファンドが連動を目指す2指数の特徴

図1で色分けしたように主要ファンドが連動を目指す指数は以下の2本に集約されます。指数間の違いは小型株を含むかどうかにあり、投資する場合の構成比率は約13%となっています。

図2 全世界(オールカントリー)株式インデックスファンドが連動を目指す指数