三菱アセット・ブレインズがまとめる2024年7月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の資金流入額ランキングのトップ3は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(流入額:2239億円、前月1962億円)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(同:1999億円、前月1682億円)、「アライアンスB・米国成長株投信 D」(同:1675億円、前月1299億円)で、前月と同じだったが、流入額は一段と拡大し、この3銘柄への資金集中が際立っている。

 

一方、前月は第4位に「HSBCインド・インフラ株式オープン」、第8位に「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」、20位に「新光ピュア・インド株式ファンド」など、インド株ファンドがランキングを大きく上げたが、今月は「HSBCインド・インフラ株式オープン」が第5位、「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」は16位、「新光ピュア・インド株式ファンド」は圏外へと順位を大きく落とした。代わって、圏外から「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回)」が第8位に躍進し、「iFreeNEXT FANG+インデックス」が前月の15位から9位にランクアップするなど、テクノロジー株を投資対象にしたファンドのランクアップが目立った。

◆AI人気の恩恵が波及する「グローバル・ロボティクス」

「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回)」は、直近の月報で「生成AIを活用した技術が多様な産業の生産性向上や先進国の人手不足解消に有効な技術となり、ソフトウェア技術と既存の産業ロボットや物流自動化機器のようなハードウェア技術との融合を通じて、中長期的に自動化領域が拡大していく方向性にますます注目」とレポートしているように、昨年来の市場をリードしている「AI」、および、「半導体」関連産業の成長の延長線上に広がるロボットの活用拡大をテーマとしているようだ。組み入れ銘柄のトップにはエヌビディアがあり、先行した半導体関連株ファンドなどと比較して出遅れていた分、人気が回っていったものと考えられる。

一方、インド株ファンドについては、7月を通じてインド株インデックスは、ゆるやかな右肩上がりの展開を続けていたため、特に資金流入を妨げるような材料もなかった。ただ、ここ数年来はインド株の上昇が続いており、一部の銘柄には割高な水準にあるという指摘がでている。上昇の勢いが鈍ると様子見や利益確定等の売り(解約)も出やすいということだろう。「HSBC インド・インフラ株式オープン」や「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」などの人気が高かったインド株ファンドが、流入額ランキングの順位を揃って落としたのはそのためだ。