ふるさと納税の仲介サイトの運営業者や中間業者は群雄割拠
ふるさと納税は着実に伸びています。納税受入額の推移を見ると、制度がスタートした2008年度が81.4億円で、2013年度の145.6億円までは徐々に増えている状況でしたが、2014年度は前年比2.6倍の388.5億円、2015年度は前年比4.2倍の1652.9億円となり、2022年度には9654.1億円まで増えています。
ただ、本来なら善意で行われるはずの寄付ですが、そこにビジネスの商機を見いだした人たちがいました。仲介サイトの運営業者や中間事業者です。
仲介サイトは当初、トラストバンクが運営している「ふるさとチョイス」からスタートしましたが、現在ではソフトバンクの「さとふる」、auの「au PAYふるさと納税」、全日空商事の「ANAのふるさと納税」、ジャルックスの「JALふるさと納税」など、大手企業も目を付けて群雄割拠の状態にあります。ふるさと納税総合研究所のサイトを見ると、仲介サイトだけでも合計で37あります(7月28日時点)。
これに加えて、自治体に代わり事業者開発、ポータルサイト管理、返礼品の受発注、コールセンターを業務として執り行う中間事業者や、ふるさと納税に関する専用システムの開発やサイト構築などを行っているシステム会社も介在しています。
本来、地方自治体への寄付は直接、地方自治体に現金を持参し、役所で納付書を用いて支払うか、もしくは指定口座に振り込むことによって、対象となる地方自治体に届けるのが普通です。
しかし、ふるさと納税の場合、寄付金に対する返礼品の魅力に惹かれて寄付をする人が増えてしまったせいか、寄付金を少しでも多く集めるためには返礼品の魅力を高めなければなりませんし、多くの人が返礼品を魅力に感じてもらえるような見せ方を工夫する必要があります。加えて、より簡単に寄付ができるようにするため、たとえばクレジットカード決済を可能にするシステムも導入しなければなりません。
これらをすべて独自に行えれば良いのですが、地方自治体にはスタッフもノウハウも不足していることから、民間事業者である仲介サイトの運営業者や中間事業者が必要になってきます。