「2024年度DCエクセレントカンパニー」は9社が受賞
午後からはメインイベントである「2024年度DCエクセレントカンパニー」表彰式が執り行われた。賞はDC制度運営に優れた企業に授与されるガバナンス部門、従業員への投資継続教育に成果を挙げた企業に贈られる継続教育部門の2部門。
ガバナンス部門はアズビル、伊藤忠商事、沖電気工業、オムロンの4社、継続教育部門は伊藤園、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、日本メドトロニック、富士フイルム、登利平(特別賞)の5社が受賞。厚生労働省・海老課長から盾が授与された。
日本DCフォーラムの大きな特徴の1つが「事業会社の取り組みに学ぶ」こと。毎年、「他社はどのようにしているのか知りたい」と寄せられる多くの声に応えるために、事業会社の取り組みを直接語りかけてもらうプログラムを設けている。今回はガバナンス部門受賞企業からアズビル・グループ経営管理本部グループ財務部長吉原卓志氏、継続教育部門受賞企業から富士フイルム人事部労政処遇福利厚生グループ篠原知希氏が自社の取り組み事例を紹介。
アズビル・吉原氏は同社グループのDC運営における核となるDC運営委員会の設置経緯を端緒に、運営方針、実効性を重視するための運営体制づくりから、現在取り組んでいる真に必要な運用商品提供のための追加・除外などについて具体例を熱弁。その原点である「すべては加入者等の利益のために」と結んだ。
富士フイルム篠原氏はDC投資継続教育における企業としての個人に刺激や気づきを与える仕掛けについて自社の取り組みを説明。商品見直しを切り口に継続教育の強化につなげるとともに、グループ会社の経営を巻き込み、教育体制を粘り強く整備。DC加入者サイトへのWEBアクセス率の向上や元本確保型のみの商品保有者比率の改善などの成果に結びついたポイントを具体的に来場者に共有した。
両社を含む受賞9社の詳細は、「2024年度DCエクセレントカンパニー表彰~優れた企業型確定拠出年金を運営する9社の取り組みとは 」にて紹介する。
セミナーでは、特別講演としてパパラカ研究所・代表取締役山根承子氏が「個人の性格特性を考慮した投資促進アプローチ」と題してBig Fiveという測定方法を使用した性格によって異なる投資の傾向を解説。各タイプに即した効果的な声掛け例を示すことで投資を促進する可能性を示唆した。