2年半ほどで株価が約8倍になった三菱重工業

国内株式市場ではこの1年ほど、大型・バリュー株相場が続いています。

大型株とは時価総額が大きく、かつ株式市場での流動性が高い銘柄のことです。別な言い方をすると、有名な大企業の株式、といったところでしょうか。その大半は、東証プライム市場、ならびにスタンダード市場に上場されています。

大型株のなかでも、いわゆる重厚長大企業といって、鉄鋼や造船、その他重工業関連の企業は、これまで非常にさえない展開が続いていました。今をときめく三菱重工業(以下、三菱重工)の株価も、2021年12月末までは260円台で推移。2022年に入ってから株価の水準が上方修正されたとはいえ、2023年5月近辺までは400円台後半から500円台前半の推移が続きました。

それが一気に動意づいたのが2023年5月半ばからのことで、そこから株価は多少の踊り場を形成しながらも、1年以上にわたって上昇トレンドを維持し、2024年7月5日には2065円の高値をつけています。2021年の水準からすれば、約8倍になりました。

三菱重工といえば、時価総額が6兆4200億円にも達する大型株です。ちなみに東証上場企業のうち、7月19日時点で最も時価総額が小さい企業はラピーヌで、6億5700万円ですから、いかに三菱重工の時価総額が大きいか、お分かりいただけるかと思います。

ちなみに、三菱重工ほどの大型株になると、時価総額と共に発行済み株式数も非常に多いため、ちょっとやそっとの買いが入る程度では、なかなか株価は上昇しません。1年以上の時間をかけたとはいえ、株価が約8倍にもなったケースは、今まで一度もありませんでした。

1980年代バブルの株価を見ると、たとえば1985年1月4日の終値が261円で、日経平均株価がバブル期ピークをつけた1989年12月29日の終値が1150円でしたから、戦後最大のバブルと言われた当時でさえ、三菱重工の株価は4.4倍の上昇に過ぎなかったのです。