佐伯拓也さん(仮名、以下同)は、都内の大手企業に勤める年収800万円の32歳男性です。一方の彼女は飯田愛さんという、都内の中小企業に勤める年収400万円の28歳女性で、二人は交際3年の末、結婚に至りました。

新婚の頃こそ順調な二人でしたが、彼は基本的に家でも自己研鑽(けんさん)にはげむ一方、彼女はテレビや動画を観てばかりの日々だったといいます。

そして結婚して2年後に長女が生まれると、彼女が専業主婦かパートになりたいと主張し始めました。彼にはそれが甘えにしか思えず、さらなる努力を促したのですが、彼女は不機嫌になる一方でした…。

●前編:「仕事と育児の両立がキツい、なんて甘えでは?」 “努力至上主義”エリート男性の“驚きの胸の内”

離婚になってもなお、理解できずに苦しむ日々…

「もうこんなモラハラ耐えられない! 離婚して」

「俺がモラハラ……!?」拓也さんには内心、訳が分かりませんでした。自分は何も悪いことはしておらず、暴言なども言っていません。ただそれでも、彼女が離婚したくなるほど苦しんでいるのだけは理解し、最終的には養育費を支払うかたちで離婚に応じたといいます。こうして、彼と愛さんの結婚生活は4年で、幕を閉じました。

不思議なもので、“クール”な彼も離婚後はそれまで感じたことがないほどの孤独感に苦しんだそうです。特に面会日を除いて子供に会えないのがつらく、日が経つほどに離婚への後悔が強くなっていったといいます。

その結果、彼は同僚を誘っての憂さ晴らしの飲み会が増えました。そして同僚に結婚生活を何度もグチったのですが、特に女性の同僚からは自分がいさめられたこともあったそうです。それでも何が悪かったのかイマイチ分からず、今はひたすら原因を考えているといいます。

「私は十分に家事も育児もしましたし、彼女を支えたつもりです。同僚はもっと妻をいたわるべきだったといいますが、十分にいたわっていたと思います。むしろ彼女の努力不足が原因で、勝手に苦しんでいたようにしか思えません。何が違うんでしょうか?」

これが理解できた時、また一つ成長できるのかもしれませんね。