1万口あたり9000円もの分配金を払うファンドも…!
去る6月28日、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」(野村アセットマネジメント)が決算を迎え、1万口あたり9000円という、過去に例を見ない額の分配金の支払いを実施した。当ファンドは、足元の米国株式市場をけん引する米エヌビディアを全体の約3割組み入れている。その他の組み入れ銘柄も生成AIブームの後押しにより大幅に上昇した結果、基準価額は昨年12月に10万円の大台を突破し、年初来では約80%、過去1年間では実に約2倍と急騰していた。
そもそも分配金とは、投資信託が決算を迎えた後、受益者(投資家)が保有する口数に応じて支払われるお金を指す。決算時に分配をするか否かの判断は、あくまでも運用会社に委ねられている。このため、分配金の支払いの有無や、実際にいくら支払われるかというのは、決算を迎えた後でないと分からない。
今回の「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」のように、利益相当分の分配を気前よく行うケースもあれば、前回の決算から基準価額が上昇していてもあえて分配を行わず、今後の運用のために内部留保するケースもある。つまり、分配金の支払い方も含めてファンドの運用戦略であり、どちらが良い、悪いという話ではない。
さて、ここで「NISAなら分配金が支払われても非課税だから気にする必要はないのでは?」と思った方は少し注意してほしい。
確かに、NISA口座で保有する投資信託の分配金は非課税だが、NISAの非課税枠を賢く使いこなす上では、投資信託の分配金のメカニズムと、その受け取り方(分配金コース)について理解を深めた方が良い。