長期金利は約11年ぶりに1%台に突入…

日常生活において、「金利」を意識することはそうありません。

したがって、長期金利が5月22日に、およそ11年ぶりに1%台をつけたことに興味を持った人は、恐らくあまりいないのではないかと思います。

過去の長期金利の推移をたどってみましょう。ただ、その前に、長期金利とは何かについて、簡単に説明させてください。

長期金利とは、国が発行する10年物利付国債の利回りを示しています。利付国債ですから、額面金額に対して一定率の利子が支払われます。この一定率の利子を「利率」と言うのですが、債券の場合、発行から償還を迎えるまでの間、債券市場で自由に売買されます。その売買価格は、額面100円につき99円50銭とか、100円50銭というように常に変動していますが、償還を迎える時には100円という額面価格で元本を受け取ります。

そのため、購入した時の債券価格が額面価格を下回っている時は、その差額が償還差益となり、それを加味した利回りが上昇しますし、逆に購入した時の債券価格が額面価格を上回っている時は、その差額が償還差損となり、それを加味した利回りは低下します。

これは長期金利を読むうえで大事なことですが、債券価格と債券利回りの間には、以下の関係があります。


債券価格上昇=債券利回り低下
債券価格低下=債券利回り上昇


つまり今のように長期金利が1%を超えて上昇しているということは、債券市場で長期国債を売る投資家の勢いが強く、債券価格が下落していることを意味します。