FWBが高い人は「金融教育」を受講し「現状把握」を行う?

それではFWBが高い人の特徴をみていきましょう。まずは1つ目の「学ぶ」から。同調査によれば、FWBが高いグループほど金融教育を受けた人の割合が高く、特に社会人になってから金融教育を受けたケースではその差が顕著でした。金融リテラシー向上のため教育の重要性が叫ばれる昨今ですが、FWBにおいても教育に一定の効果が期待できそうです。

図表3 金融教育の経験有無(年収700万円以上)

出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)

2つ目の「把握」はどうでしょうか。同調査によると、1カ月の収支を把握していないと回答した人の割合はFWBが低いグループで高く、FWBが高いグループの2倍以上にのぼることがわかりました。また、万が一に備えた生活資金や、公的年金の水準感についても、準備・イメージできていないという回答はFWBが低いグループで顕著です。FWBが高い人は現状をしっかり把握することで、将来への漠然とした不安を和らげているのかもしれません。

図表4 1カ月の収支を把握しているか(年収700万円以上)

出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)*5.0%未満はグラフ内表記省略