インデックスファンドへの投資は“ベター”だが、“ベスト”の選択肢は他にある…?

それともう1点、留意していただきたいのは、インデックスファンドによる運用は、リターンを獲得するという点においては「ベター」な選択肢ですが、決して「ベスト」ではない、ということです。

よく「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」と言われますが、決してそのようなことはありません。インデックスファンドを上回るリターンを実現しているアクティブファンドは、確かに存在しています。

いささか古いデータで恐縮ですが、2024年3月末時点のデータを使って、日経平均株価を上回るリターンを実現している日本株アクティブファンドが何本あるのかを集計したことがあります。その時は、過去1年の騰落率で33本、過去3年の騰落率で57本、過去5年の騰落率で77本、過去10年の騰落率で29本という結果でした。過去10年騰落率で日経平均株価を上回るアクティブファンドの本数が急減しているのは、それだけ長期で運用されているアクティブファンドが少ないことの証とも言えるでしょう。

これらの数字からも分かるように、確かにインデックスファンドのリターンを上回るアクティブファンドは、存在しているのです。

ただ、その事実があるにも関わらず、「インデックスファンドでよし」とされるのは、当たり外れが非常に少ないからです。インデックスファンドのリターンを上回るアクティブファンドは存在するものの、アクティブファンドのリターンの差は、同じ資産クラスに投資するものだとしても、かなりの差があります。

たとえば運用期間5年の騰落率で比較すると、日本株アクティブファンドで最も高いリターンを上げたのは、明治安田アセットマネジメントが設定・運用する「明治安田セレクト日本株式ファンド」の19.1%(年率換算)ですが、仮に日経平均株価を上回るリターンを上げているものでも、低いファンドだと年12.8%のリターンなので、両者の間には6%強の差が生じています。

その点、インデックスファンドはたとえ運用会社が違ったとしても、同じ指数への連動を目標にしたものであれば、アクティブファンドほどの大きな差は生じません。