<前編のあらすじ>
岡田さん姉弟には、子どものころからそれぞれ夢がありました。姉の美月さんは、英語を使う仕事につくこと、弟の敏行さんはプロ野球選手になることです。
その後、美月さんは外国語大学を卒業後、教員として働くことになりました。一方、敏行さんは試合中のケガが原因で夢を断念することに……。気持ちが切り替えられないまま就職活動を始め、なんとか地元の企業に就職します。
そんな中、夢破れた敏行さんと家族に転機が訪れます。子どもができたことをきっかけに、敏行さんが勤務先の後輩である光さんと結婚することになったのです。予想外の出来事に美月さんも大喜び。
しかし、家族が増えた喜びをかみしめている中、光さんから「どうしよう。敏行さんが帰ってこない……」と驚きの電話がかかってきます。美月さんが光さんを連れて、心当たりのあった場所へ向かいます。
●前編:【“プロ野球選手の夢”に未練を残して就職した元球児…結婚後、妻に衝撃を与えた「身勝手な行動」】
いつまでも夢を追う弟に突き付けられた「離婚宣告」
予想通り、野球部仲間の家にいた敏行さん。妻の光さんに内緒で仕事を辞めたため、なんとなく家に帰りにくかったのだそうです。
辞めた理由は、野球への夢を諦められなかったから。「社会人野球や独立リーグに挑戦しようとトレーニングを続けてきたのに、子どもができたばっかりに、諦めざるを得なかった。思いを心に閉じ込めてきたけれど、子どものために働くのはもうたくさん! これからは自分の人生を生きていきたい」と言い出しました。
敏行さんとしては、そんな自分を理解してついてきてほしいと言ったつもりでしたが、光さんの受け止め方は全く逆。娘の唯ちゃんと3人の生活を大切にしてきた光さんにとって、敏行さんの発言は許しがたいものだったのです。
「そんなに自分が、野球が大切なら、1人で生きていけばいい!」
即座に離婚を決断し、唯ちゃんを連れて実家に帰ってしまいました。