問題アリな義実家なら避けるのが普通。介護だけは見据えて準備しよう

男性目線で考えると、孝雄さんはギリギリのところで賢明な判断ができたと思います。義実家が何らかの問題を抱えているケースは珍しくありませんが、中でも金銭が付きまとう問題がある場合は、よほどの事情がない限り、最終的に避けたほうが無難です。

総務省統計局の2023年「家計調査」によると、「老後資金2000万円問題」が指摘される中、60代前半で純粋に2000万円を超える貯金がある人は約28%という結果です。つまり多くの人にとって、今や自分の家族だけでも十分に生きるのが大変な時代といえます。2000万円でも足りるかどうかは個々人次第ですから、いつか詩織さんの両親のようにならないためにも、まずは自分の家族の家計防衛を優先することが大切です。

……ただし上記の通り、十分な老後資金を備えている世帯は少数派だからこそ、最終的な「介護費用の援助」だけは仕方ないと思います。つまり、働けないうえ、さらに介護が必要になってしまった両親・義実家に対して、なんらかの金銭的サポートをすることは想定しておいたほうがよい、ということです。そこまで気にしてしまうと、結婚相手を見つけることは困難です。このバランス感覚で、義実家を見定めることをおすすめします。

そして、自分たちの老後資金準備が大変な中、双方の実家への援助も考えるとなると、どうしても労働と貯金だけでは困難になりがちです。転職や副業なども有効ですが、できれば資産運用を活用していく方向で先々のための準備に努めましょう。