次の成長領域は医薬品 商用薬で拡大目指す

日東電工は2023年に中期経営計画を発表しました。事業ポートフォリオを変革し、営業利益を2025年度に1700億円、2030年度に2400億円へ引き上げる計画です(中期経営計画の最終年度は2025年度)。

中期経営計画では重点分野として3つの領域が示されました。自動車や車載電池向けの「パワー&モビリティ」、半導体やエレクトロニクス向けの「デジタルインターフェース」、そして医薬品と高分子分離膜、おむつといったパーソナルケア材料向けの「ヒューマンライフ」です。

3領域で最も高い成長を見込むのがヒューマンライフ事業です。日東電工は核酸医薬の原薬では、臨床試験向けで世界トップクラスのシェアを握っています。今後はより規模の大きい商業薬の生産に向け、日米で大型の新工場を順次稼働させる計画です。

現在は商用薬の準備期間にあり、ヒューマンライフ事業の利益は大きくありません。また2023年度は営業赤字を見込んでいます。しかし生産プロセスの改善や使用材料の削減といった合理化に取り組み、収益性の改善を図ります。

【中期経営計画の財務目標(営業利益)】

  実績
(2022年度)
2025年度 2030年度
 全体 1472億円 1700億円 2400億円
 インダストリアルテープ 272億円 340億円 480億円
 オプトロニクス 1274億円  1275億円  1560億円
 ヒューマンライフ 5億円 85億円 360億円

※中期経営計画の財務目標は目標の営業利益と構成比から算出

出所:日東電工 セグメント別の状況(外部リンク)、会社説明会資料(外部リンク)