ソフトバンク株式に資金が集まっています。2020年はソフトバンクグループの売り出しや政府による通信料金引き下げ圧力で苦戦しました。その後は反転し、株価は大きく値上がりしています。業績が良好なこと、株式市場が好調なことなどが背景にあるとみられています。

【ソフトバンクの業績】

  売上高 純利益
 2022年3月期 5兆6906億円 5171億円
 2023年3月期 5兆9120億円 5314億円
 2024年3月期(予想)   6兆0000億円  4200億円

※2024年3月期(予想)は同第2四半期時点における同社の予想

出所:ソフトバンク 決算短信

ソフトバンクは資本収益性と市場評価性の基準を満たし「JPXプライム150指数」に選ばれています。

ソフトバンクはどのような企業なのでしょうか。主な収益源と急拡大するPayPay(ペイペイ)について押さえましょう。また同社が発行した国内初の新商品、「社債型株式」についても紹介します。

ソフトバンクGの中核企業 安定事業が強み

ソフトバンクはソフトバンクグループの中核をなす通信会社です。個人向けでは『ソフトバンク』や『ワイモバイル』、『ラインモ』のブランドで携帯通信サービスを提供しています。

携帯電話のシェアは大手2社に劣ります。ただし通信業界は寡占状態にあり競争環境は緩やかです。収益は安定しているでしょう。

【携帯電話契約数(2023年9月)】
・NTTドコモ:8851万件
・KDDI(au):6595万件
・ソフトバンク:5300万件
※KDDIは沖縄セルラーを含む

出所:電気通信事業者協会 事業者別契約数

通信だけでなく、グループ会社を通じ多様なサービスを展開しています。グループにはLINEヤフーやZOZO、PayPayといった有名企業が名を連ねます。主にLINEヤフーを通じたメディア・EC事業は、通信に次ぐ第二の収益源となっています。

【ソフトバンクの主なグループ会社】
・LINEヤフー
・ZOZO
・PayPay
・一休
・アスクル
・出前館

出所:ソフトバンク 有価証券報告書

【セグメント情報(2023年3月期)】

  主なサービス  セグメント利益 
 コンシューマ  個人向け通信 4624億円
 法人(エンタープライズ)  法人向け通信 1351億円
 流通(ディストリビューション)  通信機器およびソフトウェア 243億円
 ヤフー・LINE(メディア・EC)  メディア・広告、EC 1597億円
 金融(ファイナンス)  決済、スマホ証券 -124億円

※()は2024年3月期第1四半期以降のセグメント名称

出所:ソフトバンク 有価証券報告書

通信事業という盤石の経営基盤と多様な収益源を持つソフトバンクは、これまで順調に利益を稼いできました。安定した経営はソフトバンクの魅力といえるでしょう。

【純利益の推移(2016年3月期~2023年3月期)】