アクティブ型は「運用方針」「運用実績」を重視する

難しいのはアクティブ型投資信託です。運用会社、運用担当者次第で、リターンは大きく変わります。いささか漠然とした言い方になってしまい恐縮ですが、アクティブ型投資信託を選ぶ場合は、運用方針に賛同できるかどうかを重視するしかないでしょう。

かつ過去の運用実績をチェックして、いくつかのランダムな局面で、ベンチマークを上回るリターンを実現できているかどうかを確認します。もちろん過去の運用実績が選択基準としてとても重要ですから、運用がスタートしてまだ間もないような投資信託は、買わない方が無難です。

正直なところ、アクティブ型投資信託が必ずベンチマークに勝てる運用実績を上げられるかというと、何とも言えません。上げられるかもしれませんが、上げられないかもしれません。そういうものなので、大事なのは結局のところ運用方針になります。

何を組み入れるのか、どういう視点で投資先企業を選別するのか、長期投資なのか、それとも比較的銘柄の入れ替えを行うのか、といった点を、目論見書などの開示書類を読んで、判断するのです。その手間をかけるのが面倒だという人は、インデックス型投資信託を選ぶのが無難でしょう。

投資信託なら「分散投資」の必要性はそこまでない

では分散をどうすれば良いのかですが、投資信託はそもそも分散投資されている金融商品です。

したがって、株式なら株式、債券なら債券といった単一の資産クラスにおける銘柄分散と、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)、コモディティなどに分散する資産クラス分散のどちらを選ぶか、という話になります。

これは少なくとも新NISAの口座で買うならば、という前提で考えると、細かく資産クラス分散をする必要はないのではないか、と考えます。

毎月、複数の投資信託を積立購入するとしたら、いちいち株式投資信託に何%、債券投資信託に何%、REITに何%というように、当初定めたポートフォリオ比率に沿って積立資金を分けながら、積立購入しなければなりません。これはあまりにも面倒でしょう。

だったら、最初からさまざまな資産クラスに分散投資されているバランス型投資信託を買えば良いという考え方もありますが、自分が保有している金融資産ポートフォリオをよく見直してみてください。恐らく誰もが株式だけで運用しているわけではないしょう。

銀行預金や債券など、比較的元本割れリスクの低い金融商品を一定額持っているのだとしたら、新NISAで購入する投資信託まで、債券などの安定資産を組み入れたバランス型投資信託にする必要はありません。銀行預金や債券を持っているのであれば、新NISAで購入する投資信託は、株式という単一の資産クラスで、複数企業に分散投資している投資信託を買えば良いと思うのです。

ポートフォリオはシンプルに。それが資産形成を長続きさせるコツです。

参考
・金融庁「つみたてNISAの対象商品」
・日本取引所グループ「上場会社数・上場株式数」
・一般社団法人投資信託協会「統計データ」
・一般社団法人投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」