専門店やショッピングモールの台頭で衰退 イオン子会社に

ダイエーを筆頭に小売業の花形となった総合スーパーですが、バブル崩壊から苦戦するようになります。背景には経済の停滞や不動産価格の下落などさまざまな要因がからみますが、強力なライバルの出現も衰退の理由だと考えられています。

ライバルの一つが専門小売業です。商業動態統計調査でスーパーの販売額を確認すると、飲食料品は堅調な一方、家電製品や衣料品、家具で大きく減少していることがわかります。

【スーパーの商品別販売額(2000年~2022年)】

出所:経済産業省 商業動態統計調査より著者作成

これらは専門小売店の進出が顕著な領域です。例えば家電ではヤマダHDが、衣料品ではファーストリテイリング、家具ではニトリHDなどが専門小売業の代表格です。総合スーパーはこれら専門店との競争に敗れ、シェアを徐々に落としていくことになります。

ショッピングモールの台頭も痛手でした。専門店を併設する大型ショッピングモールは、さまざまな商品を扱うことで発展してきた総合スーパーと似た業態です。ショッピングモールにシェアを奪われたこともまた、総合スーパーの業績に影を落としたと考えられます。

これらを背景にダイエーも業績が悪化しました。2004年には産業再生機構の支援を受けます。しかし売り上げの低迷は続き、2009年2月期に237億円の純損失を計上しました。赤字体質からの脱却はできず、2014年2月期まで6期連続で最終赤字となります。

【ダイエーの純利益(2008年2月期~2015年2月期)】

出所:ダイエー 決算短信より著者作成

産業再生機構は2006年、ダイエー株式とダイエーに対する債権を丸紅に譲渡し支援から撤退しました。イオンは2007年に丸紅からダイエー株式の一部を買い取り、さらに2014年に完全子会社化に踏み切ります。