株式市場に波乱はつきものです。相場の急落に直面し、投資が怖くなってしまうこともあるでしょう。
しかし“投資の神様”と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、みんなが怖がっているときほどチャンスがあると伝えています。
リーマンショック下でニューヨークタイムズが紹介した名言
私はごく単純なルールに従って投資しています。みんなが貪欲になっている時は慎重に、そしてみんなが怖がって慎重になっている時は貪欲にやるのです(2008年10月10日『ニューヨークタイムズ』紙)。
引用:デイヴィット・アンドリューズ、石田文子『ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』文響社
ニューヨークタイムズが上記の言葉を掲載したのは、リーマン・ブラザーズが破綻した翌月のことでした。株式市場は暴落し、多くの投資家が恐怖していたタイミングです。バフェット氏の投資会社であるバークシャー・ハサウェイも、2008年の運用成績はおよそ10%のマイナスに沈みました。
【2008年のS&P500(日足終値、2007年12月末~2008年12月末)】
しかしバフェット氏は「みんなが怖がって慎重になっている」ときほど投資するといいます。大きな利益を得るには、ときには火中の栗を拾う必要があるのかもしれません。実際、リーマンショック後の株式市場は強い展開が続きました。S&P500指数は現在、2008年末のおよそ5倍の水準にまで上昇しています。
【2009年以降のS&P500(月足終値、2008年12月末~2012年8月末)】
相場の急落に動揺せずチャンスを見いだす
バフェット氏はリーマンショック後に以下のような言葉も残しています。
2008年の秋は私にとってはとてもわくわくする時期でした…(略)…あの時はいろいろなチャンスが提供されたのです。それは我々にとって行動すべきチャンスで、1年前や2年前には存在しなかったものでした(2009年11月12日 コロンビア大学でのトークイベント)。
引用:デイヴィット・アンドリューズ、石田文子『ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』文響社
相場の急激な下落に直面すると、つい投資を控える思考に陥りがちです。しかし極端に下落したときほど妙味があるとバフェット氏はいいます。
投資にはリスクがありますが、過度に怖がる必要はありません。むしろチャンスととらえ、売られ過ぎている銘柄がないか探してみてはいかがでしょうか。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)