長く投資をしていると、相場の急落に巻き込まれることがあります。損失で頭がいっぱいになり、投資が嫌になってしまうこともあるでしょう。

そんなとき、ウォーレン・バフェット氏の言葉が参考になるかもしれません。市場の急変で過去最大の損失を抱えたバフェット氏は、意外なほどポジティブな言葉を残しました。

過去最悪の損失だった年の言葉

当社が保有する債券や株式も市場全体とともに大幅に下落しました。チャーリーも私もそんなことは気にしません。実際、ポジションを増やすための資金があれば、このような価格下落を楽しむことができます。

昔、ベン・グラハムが私にこう教えてくれました。「価格はあなたが支払うものです。価値とはあなたが得るものです」。私は靴下(socks)も株(stocks)も、よいものに安い値がついている時に買うのが好きです。

引用:バークシャー・ハサウェイ 株主への手紙(2008年版)

これはバフェット氏の投資会社、バークシャー・ハサウェイの株主に向けられた言葉です。

当時、リーマンブラザーズの破綻に伴う金融不安に起因し、株式市場は大きく下落しました。安定的にリターンを稼いできたバークシャーも、2008年は9.6%の損失に沈んでいます。これはバフェット氏が経営を握ってから最悪の成績でした。

【2008年のS&P500の推移(日足終値)】

出所:Investing.comより著者作成

もっとも、配当込みS&P500は同じ年に37%も下落していることから、バフェット氏は市場平均を27%以上も上回ったことになります。損失とはいえ、さすがの投資手腕といえるでしょう。