世界株式ファンドが人気

7月の公募株式投資信託(ETF除く)の資金流入額は7080億円の資金流入超となり、資産別では「外国株式型」が約3390億円でトップだった。そして、純資産残高も前月比で増加した。この増加は、各国でインフレ率の鈍化が見られたことから、利上げ長期化への懸念が後退したことが主な要因となっている。

さらに、米国のハイテク企業が好決算を発表したことや、好調な米経済指標が発表されたことから、米国経済の底堅さが好感され、全体的な評価額が上昇した。特に外国株式型ファンドの評価額が堅調に推移している。

三井住友銀行で1位となった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は、株式投資の王道である「成長+配当+割安」を追求して世界のベスト銘柄を厳選するアクティブファンドで、毎月決算型で20年超の実績を持つ唯一の世界株式ファンドである。

「世界のベスト」シリーズは、投資家の多様なニーズに対応するため、決算の頻度と為替ヘッジの有無に基づいて、以下の4つのコースを提供している。

​為替ヘッジあり(毎月決算型)
為替ヘッジなし(毎月決算型)
為替ヘッジあり(年1回決算型)
為替ヘッジなし(年1回決算型)

4ファンド合計で78カ月連続の純資金流入となっており、純資産残高は7000億円を突破している。とくに「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は7月に847.53億円の資金流入があり、これは国内公募株式投資信託(ETF除く)の中で最大だった。

パフォーマンスも好調なので、8月以降も同ファンドに高水準の資金流入が続く可能性は高いだろう。

■インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
基準価額 9182円
信託報酬 1.903%(年率・税込)
純資産残高 6415.07億円

<騰落率>
1カ月   7.09%
3カ月  13.05%
6カ月  23.45%
1年     28.00%

※6月末時点

日経平均株価を対象にしたインデックスファンドが人気

メガバンクでは、日経平均株価を対象にしたインデックスファンドの人気も高かった。りそな銀行で1位だった「日経225ノーロードオープン」には、8月に約119億円の資金流入があった。これは、国内株式型ファンドの中で2番目の大きさである。

7月の日経平均株価は、前月末比16円82銭(0.05%)安の3万3172円22銭となり、7カ月ぶりに反落した。相場が過熱感を増しているとの見方から、利益確定の売りが出たほか、上場投資信託(ETF)の分配金捻出のための売りに押されたことが要因となっている。

日経平均は、3日に3万3753円33銭と1990年3月以来の高値を更新した。しかし、その後の10日間は5日間連続で下落。この5日間の下落は、2022年12月15〜21日以来のもので、約7カ月ぶりのことだった。

下落の原因としては、米国における金融引き締めの継続観測により、米国の金利が上昇したことが挙げられる。この上昇は、日本の半導体関連株などにも影響を与え、売りが広がったのである。

ただ、日経平均株価に連動するインデックスファンドは、株価が下落する局面で買いが増える傾向にある。8月以降も、日経平均株価が下落する局面では、日経平均株価を対象にしたインデックスファンドに買いが入る可能性は高いだろう。

​■日経225ノーロードオープン
基準価額 2万4241円
信託報酬 0.55%(年率・税込)
純資産残高 2333.43億円

<騰落率>
1カ月  -0.07%
3カ月  15.07%
6カ月  22.54%
1年      21.22%

※7月末時点