成長のきっかけはリーマンショック?赤字転落で半導体へシフト
半導体向け検査機器の優良企業として評価が高いレーザーテックですが、実は以前はディスプレイ(FPD)向けの製品が主力でした。現在のように半導体を中核事業に据えたのは、リーマンショック後に取り組んだ構造改革がきっかけです。
リーマンショックが起こると、ディスプレイの主要な需要を占めていた液晶テレビの販売が低迷します。検査機器に対する需要も縮小したことで売り上げが激減し、6.5億円の最終赤字に転落しました(2009年6月期)。
【当時のレーザーテックの業績】
売上高 | 純利益 | |
2007年6月期 | 158.74億円 | 23.75億円 |
2008年6月期 | 141.36億円 | 18.88億円 |
2009年6月期 | 92.66億円 | -6.51億円 |
出所:レーザーテック 決算短信
業績不振から脱却を目指し、レーザーテックは収益の大部分を占めていたディスプレイ向け製品の縮小を決断。技術力を生かせる半導体向けに注力することを決めました。売上高に対するディスプレイ向け製品の構成比は2013年6月期で2%ほどまで低下しています。
【製品部門別の売上高構成比(2009年6月期~2013年6月期)】
先述のように、今ではレーザーテックは半導体業界で欠かせない存在へと成長しました。現在のポジションは、苦しい中で断行した改革が奏功した結果といえるでしょう。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)