インターネットイニシアティブは、主に法人向けにシステムやクラウドといったサービスのほか、格安スマホ「IIJmio(アイアイジェイミオ)」などを展開する企業です。業績が順調に推移していることから投資家の評価が高く、株価は3年前のおよそ3倍の水準で推移しています(2023年7月末時点)。
【インターネットイニシアティブの業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年3月期 | 2263.35億円 | 156.72億円 |
2023年3月期 | 2527.08億円 | 188.38億円 |
2024年3月期(予想) | 2860.00億円 | 207.20億円 |
※2024年3月期(予想)は、2023年3月期時点における同社の予想
出所:インターネットイニシアティブ 決算短信
【インターネットイニシアティブの株価(月足、2020年7月~2023年7月)】
インターネットイニシアティブは収益性の高さから「JPXプライム150指数」に採用されました。インターネットイニシアティブはどのような歴史を持つ企業なのでしょうか。成り立ちを振り返りましょう。
国内初の商用インターネット接続事業者
インターネットイニシアティブは1992年に設立されました。同社は日本で初めてインターネット接続サービス事業を展開した企業として知られています。
日本においてインターネットは「ジェイユーネット」と呼ばれる大学間ネットワークが起源といわれています。当初は非営利で運営されていたものの、接続者が急増したため対応が困難な状況に陥りました。
そこでインターネットイニシアティブが1993年に商用化に踏み切り、大規模にインターネット接続サービスを提供し始めます。インターネットイニシアティブは、日本にインターネットの道を切り開いたパイオニアといえるでしょう。現在でも法人向けで300万件、個人向けで150万件の契約を持つ大手インターネット接続事業者であり、同社の中核事業の1つとなっています(2023年3月期)。
近年はもう1つの収益源である「システムインテグレーション」事業の伸びが顕著です。企業などにシステムの構築や機器の販売といったサービスを行う事業で、売上高はインターネット接続サービスなどの「ネットワークサービス」事業へ迫っています。
【事業別の売上高(2020年3月期~2023年3月期)】
【報告セグメント業績(2023年3月期)】
売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | |
ネットワークサービスおよび システムインテグレーション事業 |
2499.70億円 | 263.22億円 | 10.5% |
ATM運営事業 | 28.42億円 | 9.19億円 | 32.3% |
出所:インターネットイニシアティブ 決算短信