キリンホールディングスの株価は一進一退の状況です。脱コロナが進み2022年12月期は大幅な最終増益となったものの、市場での評価は芳しくありません。背景にはミャンマーやバイオでの苦戦がありそうです。
【キリンホールディングスの業績】
売上高 | 純利益 | |
2021年12月期 | 1兆8215.70億円 | 597.90億円 |
2022年12月期 | 1兆9894.68億円 | 1110.07億円 |
2023年12月期(予想) | 2兆1150.00億円 | 1130.00億円 |
※2023年12月期(予想)は、同第1四半期時点における同社の予想
出所:キリンホールディングス 決算短信
【キリンホールディングスの株価(月足、2020年6月~2023年6月)】
キリンは「JPXプライム150指数」に採用される大型株です。注目する投資家は少なくないでしょう。キリンはどのような企業なのか、歴史と事業内容について紹介します。
酒類と医薬品が収益の柱
キリンは1907年に設立された老舗ビール会社です。前身のジャパン・ブルワリー・カンパニーまで含めると、歴史は1885年にまで遡ります。主力商品の『キリンラガービール』は、1888年の発売当初(当時は『キリンビール』)からラベルのデザインがほとんど変わっていない超ロングセラー商品となっています。
ビールの需要は高度経済成長期に特に強まり、キリンは大きく成長しました。ウイスキーやワインといったビール以外の酒類も取り扱いを拡大し、飲料事業でも『キリンレモン』や『午後の紅茶』など多くのヒット商品に恵まれました。
現在は医薬品メーカーとしての顔も持っています。キリンは2007年から2008年にかけて協和発酵キリン(当時は協和発酵工業)を子会社化しました。以来医薬品が重要な事業となっており、報告セグメントベースでは最大の事業利益を稼ぎ出しています。
【セグメント別の業績(2022年12月期)】
売上高 | 事業利益 | |
国内ビール・スピリッツ事業 | 6635億円 | 747億円 |
国内飲料事業 | 2433億円 | 188億円 |
オセアニア酒類事業 | 2559億円 | 315億円 |
医薬事業 | 3979億円 | 825億円 |
その他事業 | 4289億円 | 375億円 |
※その他事業にはメルシャン、ミャンマー・ブルワリー、コーク・ノースイースト、協和発バイオ及びその他事業の業績が含まれる。
出所:キリンホールディングス セグメント情報