コスパやスキル…片づけ難易度が高い「紙モノ」整理

特徴②コスパが悪く、面倒

同じ捨てる判断でも、例えば数年着ていない、流行遅れの服を思い切って手放せば、クローゼットも広くなり、一瞬で過去と決別でき、「捨てた感」を満喫することができます。

ところが紙には重要な書類が紛れている可能性があるので、捨てるかどうしようか判断するために、中身をチェックする必要が出てきます。重要品にしても、思い出の紙であっても、捨てる判断をする時に、いちいち目を通して内容を理解し、自分の頭の中を言語化するという「脳内変換」をしなければなりません。

細かい字がたくさん書いてある書類などは、いくら悩んで1枚捨てたとしても薄くてかさばりませんから、スッキリ感をほとんど感じることができません。そもそも、「紙モノ」整理は、時間的・空間的効果(コストパフォーマンス)が悪いのです。

ましてや「紙モノ」整理は、思い出のような情感も含みます。作業の効果を数値化しづらく、今どきのAIの基準で判断しにくい、極めて人間臭い営みです。

そのため、定年後に新たな環境で仕事を始めたり、地域活動や趣味を満喫していて忙しい……そんな一見アクティブで効率を重視している方ほど、面倒なのでとりあえずとっておくという、「判断をしない判断らしきこと」をしがちです。

コスパが悪く判断も評価も面倒という、片づけの中でも一番難易度が高いものなのです。

特徴③「片づけスキル」と「手続きスキル」の両方が必要

「紙モノ」整理には、単なる整理収納のワザにプラスして、重要品を管理し、期日に書類を出すなどの「手続きスキル」がプラスされます。そのため、面倒なものが多く、片づけのハードルがより上がってしまいます。