岸田内閣の資産所得倍増計画プランが改革を加速させる

この流れを加速させようと岸田内閣が考え出したのが「資産所得倍増プラン」です。

「検討ばかりで実行力がない」と批判の多い岸田内閣ですが、国内で最終決定する前から国連演説などでNISAの恒久化について発言するなど、NISA改革については前向きな姿勢を示し続け、その流れのまま令和5年度税制改正大綱で、新しいNISA制度の概要が示されることとなりました。

NISAの改正については「本当に実現するの?」と懐疑的な人も多かったのですが、これから説明する改正内容を見ると、想像以上の大きな制度改革であり、またそれが合理的に制度を拡充するアプローチとなっています。

2024年には実施されない新NISAに要注意

2024年、NISAが生まれ変わる

ところで「2024年開始の新NISA」と解説している記事や雑誌、書籍で「年122万円」という数字が出てきたら注意してください。

これはウソ(というかお蔵入り)になったNISAの情報です。「もともと実施される予定だった2024年からの新NISA」なのです。

なんじゃそりゃと思うかもしれませんが、もともとは2年前に税制改正が認められ「2024年からはこうなります」と紹介されてきたものです。

ところが2022年12月の税制改正大綱ではこれを一気に上回る大きな枠で新しいNISAが2024年からスタートすることになりました。そこで、金融庁はこれから説明する新しいNISA制度のほうを選び、「古いほうの新NISA」は未使用のまま捨ててしまうことにしたのです。

古い書籍やウェブ記事には注意してください。

●第2回(今さら聞けない…新NISAで何がどう変わる? 5大重要ポイントを解説)では、新NISAを使いこなすうえで必須の「現行NISAから新NISA」の変更事項を解説します。

『新NISAとiDeCoでお金を増やす方法』

山崎俊輔 著
発行所 フォレスト出版
定価 1,650円(税込)