SOX指数の構成銘柄は?

それでは、SOX指数の構成比率上位銘柄を紹介します(2023年6月末時点)。

 

■エヌビディア
エヌビディアは米国カリフォルニア州にある半導体メーカーで、GPUに特化しています。GPUとは、3Dグラフィックスなどの画像描写に必要な計算や演算を行う半導体チップ(プロセッサ)のことです。

GPUはCPU(中央演算処理装置)と混同されることがありますが、CPUは「コンピューターの頭脳」と呼ばれ、あらゆる演算処理を行います。一方、GPUは「画像処理に特化した頭脳」であり、膨大な計算量を必要とする画像処理や画像認識を担っています。

エヌビディアのGPUは、ゲーム、映像編集、科学技術など、さまざまな分野で活用されているのです。ゲームでは、よりリアルで美しいグラフィックを実現するためにGPUが使われています。また、科学技術では、人工知能や自動運転などの技術開発にGPUが使用されているのです。

エヌビディアは、世界中の多くの企業や個人によって使用されており、半導体業界のリーダーとなっています。

エヌビディアはAI(人工知能)ブームの波に乗り株価が上昇。今年5月には時価総額1兆円を超えて話題になりました。そして、SOX指数の中でも中心の銘柄となっています。7月19日の終値は470.77ドルで、年初来で228.86%上昇しています。

※エヌビディアの詳細は以下の記事もあわせてご覧ください。
ChatGPTを支える「すごい」技術 エヌビディアの株価はどこまで上がる?

■ブロードコム
ブロードコムは、世界最大の通信用半導体企業です。クラウドサービス、高速通信規格5G、ブロードバンドなど幅広い分野に関連する製品・サービスを提供しています。また、積極的なM&Aで事業拡大路線を推進し、全セグメントで業界No.1の地位を確立しているのです。

また、アップルがブロードコムの主要顧客であり、アップルへの売上は年間売上の約 15~20% を占めています。ただ、アップルは2025 年までにスマートフォン向けモデムチップをクアルコムから自社製に切り替える予定です。これによりブロードコム の業績が悪化するとの懸念が広がっています。

しかし、ブロードコムはアップル以外の顧客も多く、独自のモデムチップの開発にも注力しています。そのため、アップルが独自のモデムチップに切り替えたとしても、ブロードコム の業績が大幅に悪化する可能性は低いでしょう。

ブロードコムは今後、5G やクラウド サービスなど成長が見込まれる分野に注力することで、業績を拡大していく見込みです。

ブロードコムの株価も2023年は大きく上昇しています。7月19日の終値は901.37ドルで、年初来で62.86%上昇しています。

SOX指数とは景気の先行指標である

SOX指数は、景気やハイテク株の景気を探る「先行指標」として注目されています。これは、半導体は、スマートフォンやパソコンなどの電子機器に欠かせない部品であり、半導体業界の景況感は、景気やハイテク株の景況感を反映していると考えられているためです。

また、SOX指数は、日本の半導体関連株にも影響を与えています。日本株を取引している投資家も、SOX指数のチェックをおすすめします。

執筆/山下耕太郎(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)