カプコンの株価が快走しています。2021年に苦戦したものの翌年から上昇傾向が続いており、2023年も上場来高値の更新が相次ぎました。同年6月末時点でPBR(株価純資産倍率)7.4倍まで買われており、投資家の関心の高さがうかがえます。

【カプコンの業績】

  売上高 純利益
 2022年3月期   1100.54億円   325.53億円
 2023年3月期 1259.30億円 367.37億円
 2024年3月期(予想)   1400.00億円 400.00億円


出所:カプコン 決算短信

【カプコンの株価】

出所:Investing.comより著者作成

カプコンは資本収益性と市場評価の高さが認められ「JPXプライム150指数」に選出されています。今注目の企業カプコンはどのような企業なのか、概要を押さえましょう。

『モンハン』で知られる高利益企業

カプコンは1979年に設立された企業です。当初はアイ・アール・エムという社名でゲーム機器の開発を手掛けていましたが、1983年に販売部門子会社として設立したカプコンを1989年に吸収し、社名をカプコンへと変更しています。カプコンとは「カプセルコンピューター」の略で、当時話題を集めていた「パーソナルコンピューター」に対抗する思いで考案されました。

カプコンは1987年にリリースした『ストリートファイター』や『ロックマン』が大きな話題を集めゲームメーカーとしての地位を確立します。特に1992年に発売した『ストリートファイター2』は記録的なヒットとなりました。その後も『バイオハザード』や『モンスターハンター』など、数々の人気シリーズを世に送り出しています。

【主なゲームシリーズの総販売本数(2023年3月末時点)】
・ストリートファイター(1987年):4900万本
・ロックマン(1987年):3800万本
・バイオハザード(1996年):1億4200万本
・デビルメイクライ(2001年):2900万本
・逆転裁判(2001年):1000万本
・モンスターハンター(2004年):9200万本
※()はシリーズ1作目の発売年

出所:カプコン カプコンの歴史 シリーズソフト販売本数

人気シリーズを多数抱えるカプコンは利益率も高く、同社のゲーム事業が含まれるデジタルコンテンツ事業の利益率は54.5%にも上りました(2023年3月期)。単純な比較はできませんが、これは業界でトップクラスの水準です。

【主なメーカーのゲーム関連セグメントの業績(2023年3月期)】

  セグメント
売上高
セグメント
利益
利益率
 カプコン
(デジタルコンテンツ事業)
981.58億円 535.04億円 54.5%
 コーエーテクモHD
(エンターテイメント事業)
739.17億円 384.75億円 52.1%
 コナミグループ
(デジタルエンターテイメント事業)
2134.32億円 530.09億円 24.8%
 スクエア・エニックスHD
(デジタルエンターテイメント事業)
2455.48億円 412.53億円 16.8%
 セガサミーHD
(エンターテイメントコンテンツ事業) 
2828.81億円 411.81億円 14.6%
 バンダイナムコHD
(デジタル事業)
 3856.81億円  493.39億円  12.8%


出所:各社の決算短信