ロシュの下で成長する国内がん医薬トップランナー

中外製薬は2002年、スイスに籍を置く世界最大級の製薬企業「ロシュ」との資本提携を発表し、ロシュグループの一員となりました。ロシュの製品が加わったことで、中外製薬は2008年から国内のがん領域で売り上げトップの地位を占めるようになり、シェアは2022年で14.4%に上ります。業績も大きく成長し、提携後20年で売上収益は7倍超、営業利益は16倍超にまで拡大しました。

【ロシュ提携後の業績推移】

 

中外製薬 「中外製薬ってどんな会社?」より著者作成

この提携は、中外製薬の独立性が維持されている点で珍しいケースとなっています。ロシュは中外製薬株式の過半数を握ることから支配的な立場にありますが、中外製薬の取締役9名のうちロシュグループからは2名を占めるに過ぎません(2023年4月時点)。またロシュは中外製薬の上場を維持することも認めており、少数株主の存在を許容しているといえるでしょう。

【株式分布状況(2022年末時点)】

 

出所:中外製薬 株式所有者情報